3. GPS&デジカメを用いた文化財建造物のデジタル・マッピング

 

 

 市町村合併は、文化財保護行政にも大きな影響をもたらしている。とりわけ、1市5町2村による大合併を敢行した鳥取市の場合、面積765kuにおよぶ市域にどれほどの歴史的建造物が存在するのかさえ把握できていない。平成16年度、鳥取市から委託された「鳥取市歴史的建造物調査研究(鳥取市歴史的建造物等のデジタル処理による目録・地図作成)」により、旧市内に分布する730件の歴史的建造物[神社140件、寺院81件、民家等509件]について、デジタルMAPを作成した。GPSとつないだデジカメで撮影された写真画像と国土座標を基礎データにして、パソコン画面上のデジタルMAP上に位置を示すアイコンが表示され、それをクリックすると画像と基礎データが画面に表示されるシステムである。今後は、新鳥取市旧郡部の文化財建造物撮影をおこない、市域全体のデジタルMAPを完成させる予定である。また、現在進行中の「鳥取県近代和風建築総合調査」とも連動し、報告書掲載の詳細調査建造物を3次元MAP上でデータ整理する作業も続けている。(『鳥取市歴史的建造物調査研究 −鳥取市歴史的建造物等のデジタル処理による目録・地図作成』鳥取市教育委員会、2005年3月)