倉吉ことばの会

ニュース

2021.2.15
2月13日（土）、第8回講演会を実施しました。前回同様、コロナウィルス蔓延の影響を考慮し、会場参加者は事前登録制、加えて、コメンテーターの先生を含めてリモート参加を可能にしました。会場参加は29名、リモート参加は4名でした。Zoom会議のスケジューリングの不備等で開始が約30分遅れ、会場のみなさんにもリモート参加の皆さんにも、不用意に不安や不満を与えてしまい、本当にすみませんでした。講演は桑本裕二による「「見れる」「着れる」は普通の言い方！－倉吉方言におけるら抜きことばの現状とその発展－」と題するもので、「内容がやや難しい」という意見もありましたが、おおむね内容を楽しく理解していただいたのではないかと思っています。
第８回

2021年2月13日（土）14:00～16:00
場所：倉吉未来中心セミナールーム３
講師：桑本裕二（公立鳥取環境大学教授）
演題：「見れる」「着れる」は普通の言い方！－倉吉方言におけるら抜きことばの現状とその発展－

～要旨～
「見れる」「着れる」はら抜きことばといわれ、現代日本語では乱れた言い方だといわれます。でも倉吉方言では昔から、お年寄りも若者も、「そのビデオ、まんだ見れっだら？」「小ぃさーて、もう着れんわいや」などといいます。これは倉吉では当たり前のことです。中央（東京中心）ではダメな言い方が倉吉では当たり前。ら抜きことばの倉吉方言での魅力、意外な発展について探ります。
→発表資料（PDFファイル、5MB）

過去の講演会

第７回

2020年11月29日（日）14:00～16:00
場所：倉吉未来中心セミナールーム３
講師：福光優一郞（新居浜工業高等専門学校准教授）
演題：山の向こうから見る倉吉方言－他方言を通して見える姿－

～要旨～
「松山でも『ようたんぼ』って言うんですか！」－ずっと倉吉方言とばかり思っていた言葉に遠く四国で思わず出会った時の驚きと喜び。とかく違いに目が行きがちな標準語との比較ではなく、周辺地域の方言との比較を通して見えてくる倉吉方言はどのような姿をしているのでしょうか。

→発表資料（PDFファイル、2.3MB）

当日の講演会の様子

第６回

2019年3月17日（日）14:30～16:00（終了後、講師との懇談10分程度）
場所：倉吉未来中心セミナールーム3
小矢野哲夫（大阪大学名誉教授・神戸学院大学教授）
演題：倉吉方言の文末詞「ダン」の機能─談話展開の観点から─

～要旨～
文末詞「ダン」は「するダン」「したダン」「しとるダン」のような形式で使われます。「するダン」で聞き手に指示したり、「したダン」「しとるダン」で解説的に述べたりするといった働きがあるように思われます。命題部分の主語の人称に制限があるのではないか、述語のテンス・アスペクトが談話の展開に関係するのではないか、といったことを考察してみたいと思います。

→発表資料（PDFファイル、371KB）

第５回

2018年9月15日（土）14:00～16:00（質疑応答含む）
場所：倉吉未来中心セミナールーム3
講師：桑本裕二（公立鳥取環境大学教授）
演題：倉吉方言の｢？｣―｢何だかようわからんだいな｣に応じてみる。―

～要旨～
倉吉を中心とした鳥取県中部地方にずっと住んでいても、自分は方言を使っていない、という人が多くいます。また、東京のことばと大して違っていないと思っている人もいます。一方で、｢倉吉弁（中部方言）には古語がそのまま残っている｣という人もいて、倉吉方言の実態は、住んでいる人達にとっては｢ようわからん｣ままになっているようです。今回はそういった倉吉方言の｢?｣の部分、｢ようわからん｣ところにせまります。

→発表資料（PDFファイル、6.4MB）

第４回

2018年3月31日（土）14:00～16:00
場所：倉吉交流プラザ視聴覚ホール
講師：福光優一郞（新居浜工業高等専門学校准教授）
演題：倉吉方言の待遇表現～聞いてごしならんかえ～

～要旨～
日常会話において、私たちは意識的・無意識的に会話の相手や会話の話題に上る人物との関係を踏まえたうえで、発話の文末表現を変えています。このような一般的に尊敬語や謙譲語として知られる待遇表現を倉吉方言ではどのように使い分けているのかについて探ってみたいと思います。

→発表資料（PDFファイル、391KB）

第3回

2017年10月22日（日）14:00～16:00
場所：倉吉交流プラザ視聴覚ホール
講師：小矢野哲夫（大阪大学名誉教授・神戸学院大学教授）
演題：倉吉方言の言いさし文―行くけえ。知らんに。―

～要旨～
倉吉方言で多用される表現のうち、「行くけえ」「知らんに」のような、「けえ」「に」で終わる文を取り上げます。「けえ」は順接、「にい」は逆接の接続形式ですが、あとに何も続けないで文末に現れ、「言い切り文」として使われます。その意味と用法について分析し考察します。

→発表資料（PDFファイル、1.4MB）

第2回

2017年6月3日（土）
場所：倉吉交未来中心セミナールーム 3
講師：桑本裕二（公立鳥取環境大学教授）
演題：倉吉のイントネーションの妙―何がうちらを安心させるか―

～要旨～
「倉吉のことばは？」と聞かれて、多くの人は「おせ」（大人）、「きょーてー」（恐い）などのように、単語に特有の形があるということを思い起こします。一方、他地方の人が方言を聞いて印象に残ることに、アクセントやイントネーションが違っているということがあります。アクセントやイントネーションは、しゃべっている人は普通、ほとんど意識しません。この講演では、倉吉方言のアクセントやイントネーションについてとりあげ、倉吉方言話者にとってなんとなく安心できる音調について探ります。

→発表資料（PDFファイル、10.3MB）

第1回

2017年2月18日（土）
場所：倉吉交未来中心セミナールーム 1
講師：小矢野哲夫（大阪大学名誉教授・神戸学院大学教授）
演題：が、があ、がな、がん―倉吉方言の文末表現の一端―

～要旨～
日本語の文末表現には、話し手の認識のしかたや聞き手への伝達態度が現れます。ガ、ガア、ガナ、ガンなど、わずか１音、２音を文末に加えるだけで、またはイントネーションを変えるだけで、認識や伝達態度に変化が生まれます。コミュニケーション機能の観点から言語としての倉吉方言に光を当てます。

→発表資料（PDFファイル、391KB）

～事務局～
689-1111鳥取市若葉台北1-1-1公立鳥取環境大学　桑本裕二
tel.070-1877-1691
tel./fax. 0857-30-7854
email:kuwamoto(at)kankyo-u.ac.jp

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